日記 2025年12月

2ヶ月目

2025年12月31日

ついにこの家も、住み続けるのが少しずつ難しくなってきたなと実感しながら、部屋を掃除する。

これまで正月のおせちは、同居していた義祖母も作ってくれていた。今年、その義祖母が92歳でこの世を去った。ふと、自分も何か作ってみようと思った。田作りは、調べてみると意外と簡単で、家族も気に入ってくれた。

大学の教育でも、高校の部活でも、地域のコミュニティでも、先代がやっていたことは、先代がいなくなると、誰に言われるでもなく、いつのまにか次の代が引き継いでいることがある。

2025年12月30日

上平先生と食事。上平先生は、立命館大学に移られ京都に引っ越しされてしまったのだけど、東京に戻られたことでお会いすることができた。上平先生とは何年もこうやって一緒に食事をさせてもらい、研究の交流をさせてもらっている。どんなに飲んでも、何時間話しても研究と教育の話が続く。自分が研究したり本を書いたりできているのは、ほぼ上平先生とのこの時間のお陰と言っても過言ではない。

2025年12月29日

同じ保育園だった”親友”と公園に。その後、招待いただき家にお邪魔した。家のこと、仕事のこと、子育てのこと、いろいろ話したらあっという間の3時間

2025年12月28日

家族で温泉にいった。家から1時間。秋川温泉瀬温の湯。思った以上に空いていた。

温泉にある食堂「石舟ダイニング」。地域の素材を使った料理が特徴があって美味しい。店員さんに聞いてみると、秋川渓谷で数店舗レストランをお持ちだという。調べてみると、秋川渓谷で飲食店事業・観光事業をやっている株式会社do-moという会社だった。

その場でしかできないこと、をやるのがいい

2025年12月26日

年末恒例 怒涛のやり取り。メールには「年末のお忙しい中申し訳ありませんが…」を送り合っている。

2025年12月25日

朝6時。娘がいつもより1時間以上早く起きた。サンタさんが来たのか楽しみだからである。サンタさんが運んできたのはプリキュアの服。半年前に初めて行ったプリキュアショーで欲しくなったプリキュアの服。あの時は高くて買えなかったけど(8千円もする)、どうやらサンタさんは買えたようだ。

2025年12月24日

朝遅れることのできない仕事のため、車中泊。クリスマスイヴである。

家に帰ったら娘がケーキを作ってくれた。

2025年12月23日

某省の事業者選定の委員のお仕事に行く。

2025年12月21日

今日はお休み。東京都現代美術館で開催されているTOKYO ART BOOK FAIRに行ってきた。とにかく、すごい人。そしてすごい出品ブースの数。

そんな中、以前日記でも書いた、トラブルメーカーズのブースを発見。宮本さん、井上さんとも少しお話ができた上に、トラブルメーカーズマガジンのno1とno2を手に入れることができた。

家に帰って一気読み。ライティング、編集、写真、エディトリアルどれをとっても丁寧で心地よい。そして、自分もちょっとだけやってみたくなる。

みなとラボさんのストアより https://3710lab.stores.jp/items/66b090810f4efd012581303a

他に手にいれたのは、みなとラボさんの3冊。鹿児島県立与論高等学校の総合的な研究の時間、通称「ゆんぬ」の授業から生まれた「与論の日々」。高校2年生48名が島の人々にインタビューした内容がまとまっている。

また、長崎県の高校生らの活動によって生まれた 「解決できなかったわたしたちの問題 〜海とごみと高校生〜/ペットルと黒いかげ」半分が自分たちの活動録になっていて、残り半分が絵本になっている。最後に、与論島のお散歩BINGO。お散歩しながら、カードに書かれた場所を移動するビンゴゲーム。


また、日本画家の松尾郁子さんと、編集者の上條桂子さんとグラフィックデザイナーの矢部綾子さんによる、こどもと遊びと美しさを研究する「DASSEN」さんの作品。
Ikuko Matsuoさんの『はみだす栞ブック』は子供が本を作ることができるキットで、イラストをしおりのように挟みながら、動かしながら物語を創作・説明することができる。Keiko Kamijoさんの『ことばコラージュブック』は物語の創作を誘発する言葉をヒントに絵本を作ることができるキット。

子供もいて人が多くて全然みられなかったけど、ちょっと見るだけで面白い本に出会えて大変楽しかった。

ところで、TOKYO ART BOOK FAIRはいわゆるコミケやデザインフェスタのような、出展者も来場者が同じ高さにあるイベントだ。

出版社→本屋→客というある種の中央集権的で販売ではなく、作り手と受け手が直接的にやり取りするピア・トゥ・ピア型の相互的な販売。こういった創作経済のようなものが、アート・デザインの領域ではより広まっていくような気がしている。

2025年12月20日

いつもの車中泊場所

今日は卒業研究の事前審査会。河原で目を覚まし、5時に起きて万葉の湯で風呂に入り、そのまま大学へ向かって発表準備をする。
9時開始。9名の教員で、学生が卒業研究の最終発表に臨めるかどうか、その可否を判断する審査会。この仕組みは、2022年に音楽・美術・デザインに分かれていた課程が一つに統合されてから、初めて導入されたものでもある。

発表のジャンルは実に多様。彫刻、絵画、作曲、演奏、プロダクトデザイン、インスタレーション、そして実践系。実践系は演奏時の不安克服や音楽療法といったテーマもあり、分野の幅広さをあらためて実感した。

卒業研究の審査というのは、ある分野によって構成されてきた「正しさ」を認定する象徴的な行為なのかもしれない。だからこそ、分野が統合されたり横断されたりする場面では、新たな「正しさ」を構成し直す必要がある。そのためには、社会構成主義的な意味での対話が不可欠になる。

学科長として、準備不足や手一杯なところも多いのだけど、学科の先生方は協力的で助かっている。おかげで、少しずつではあるけれど、確かに前に進めている感触がある。

土曜日の渋滞に流されながら、家に着いたのは20時。ドアを開けて、子供を抱きしめた。

2025年12月19日

昼間の仕事を終え、幼稚園のバスが年末で運休しているため、自転車で迎えに行く。

駄菓子屋に行きたいというので、街の小さな駄菓子屋へ立ち寄る。30円のフルーツヨーグルトを買い、二人で分けて食べる。そのまま、通っているスイミングスクールへ向かう。

走りながら、なんだか静かだな、と思ったら、自転車の後ろで寝てしまっていた。
今日は特別だ。起こさず、そのまま家に帰ることにする。

そして夜のタイミングで、再び家を出て大学へ向かう。
そう、明日は卒業研究の事前審査会なのである。
夜に出てどうするのか?明日は土曜日。そう、車中泊である。

2025年12月18日

書道をやっている学生に教えてもらって、周りの学生が試してみている瞬間

デザインリサーチ、営みの循環。
今年は、対象同士のつながりを視覚化するだけでなく、関係的な観点から活動を構想すること、さらには実際にやってみることを強く勧めている。
書道を長く続けてきた学生は、大きな筆を持ってきて、書き初めにまつわる書道活動を始めようとしている。その様子を見て、なるほどな、と思う。

思い返せば2年前、上平先生から、活動の構想を生成AIのイメージで具現化できそうだね、と言われていた。そしてつい先日、圧倒的なビジュアル表現能力を持つGoogle Geminiのnanobananaがリリースされた。試しに学生に使ってみるよう勧めたところ、何人かが面白いイメージを持ってきた。

演奏をしていた学生は、パブリックスペースでの演奏会。
鉄道好きの学生は、廃墟化したホームでの写真展。
どれも、ちゃんと「やれそう」なイメージになっている。

それにしても、nanobananaの生成能力はすごい。
写真もイラストも、ピクトグラムも図解も、あっさりとうまく出してくる。学生が作った図を評価させ、改善案まで出させてみたら、もうビジュアルデザインの指導はいらないのでは、と思ってしまった。

とはいえ、nanobananaがあるからといって、学生が美しく力強いグラフィックを作れるようになるかというと、そうでもない。
インターネットがこれだけ普及しているのに、パソコンのトラブルは続出するし、Webページを作れない学生が多いのと、どこか似ている。
どんなにサービスが普及しても、
見る目や、作る力が、勝手に育つわけではないのかもしれない。

2025年12月17日

今日は教授会、学科会議などの会議DAY。
そして、卒業研究の事前審査会の発表資料の提出締め切りでもある。

これまで音楽・美術・デザインと分かれていたコースが、一つの学科になった。
それに伴い、卒業研究の審査方法も変わった。
分野が違えば、審査の方法も違うし、何を良しとするかも違う。
だから、分野を統合するというのは本当に大変なことだ。

それでも、新学科の先生方は本当に、本当に協力的で、
新しい学科としての方法を建設的に検討してくださっている。
これは、本当にありがたいことだ。

2025年12月16日

マイクを持って質問をしてくれた学生はお茶とお菓子を飲んでもらう。

瀧先生とデザイン論という授業を担当。授業のテーマは「デザインの課題」。

授業では近年顕著になっているサービスのセルフ化の事例を取り上げた。とりわけ、飲食店におけるタッチパネル注文、自動配膳、スマートフォン決済など、店員と客との直接的なやり取りを最小化するサービス形態。

これらの状況について、山内裕は『「闘争」としてのサービス』において、店側が効率性を優先し「画一化」を目指す一方で、客側もまた効率的に注文し、匿名的な存在であろうとする傾向を指摘している(山内 裕『「闘争」としてのサービス――顧客インタラクションの研究』中央経済社、2015、pp.63–74)。

こうした効率化・画一化とは対照的なサービスのあり方として紹介したのが、昨年度の卒業生・荒さんによる卒業研究「即興的デザイン実践としてのオリジナルカクテルづくり」。
荒さんは、バーテンダーとしてオリジナルカクテルを提供してきた経験を背景に、あらかじめメニューを設けず、客の曖昧な要望やその場の対話を手がかりに、即興的にカクテルを制作・提供する実践をした。(これらはデザイン学会にて発表したので、梗概原稿があります)
そして、その流れでカフェコンテナについても紹介した。教授会で授業で要求されてないのに出すお茶を出すという実践。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/72/0/72_650/_article/-char/ja

紹介の際には、田中元子さんの「マイパブリック」と「グランドレベル」の話も合わせてした。田中さんは2014年に「パーソナル屋台」という取り組みを始めている。自分で淹れたコーヒーを、手作りの屋台で振る舞うというものだ。紹介した動画の中で、田中さんは大阪のご婦人がハンドバッグに忍ばせている飴玉の話をする。

関西のご夫人方はハンドバッグにアメちゃんを忍ばせ てるって都市伝説ありますよね
彼女そんなにアメ好きなんですかって話ですよね。 
彼女のためだけじゃない
家族や友人のためだけでもない
もし街の中でちょっと触れあった人に
「このアメちゃんいるかって」出すんでしょう。
だからハンドバッグに、彼女たちは世界最小の公共を忍ばせているんです。

そんな話をしたところ、瀧先生がカフェコンテナを見て、クシシュトフ・ヴォディチコ(Krzysztof Wodiczko)の「ヴィークル(Vehicle)」作品を紹介してくれた。具体的にはHomeless Vehicle(1988–89)、ホームレスの人が移動・睡眠・物品保管を行える車両型装置。Poliscar(1991)移民や少数者が公共空間で発言するための拡声・防護的ヴィークルだ。

授業が終わり、学生の展示会会場の撤収のために移動する。
その後いったん家に戻り、夕方からは3年生のラボ生たちと一緒に、株式会社コンセントさんを訪問。

コンセントの方々には随分前からお世話になっているが、今回は3年前の卒業生が社員として働いており、実際の仕事の様子を紹介してくれた。
どこか保護者参観のような気持ちになる。
卒業生はちゃんと頑張っている。

学生たちにとっても、初めて本格的にポートフォリオをまとめ、人に見せる経験になった。とても良い学びの機会だったと思う。

人事の方には、生成AIと採用の関係について質問をした。
話題に出たのは、ロート製薬がエントリーシートを廃止し、面談中心に切り替えたというニュース。

評価すること、選ぶこと、見極めること。
そのやり方自体が、いま静かに問い直されている気がする。

2025年12月14日

前日に書いたとおり、学生の石田さんの展示会を見に行く。
会場は北千住にあるコーミンカン。

到着すると、石田さんのご両親にお会いすることができた。
石田さんは兵庫県にある祖母の家に通い続け、祖母をテーマに、さまざまな表現を通して記録を行ってきた。その実践が、展示というかたちになって立ち上がっている。

途中から、「公共とデザイン」の石塚さんも来てくださった。
さらに石塚さんのお知り合いで福祉の仕事をされている方、そして常葉大学・安武研究室の学生さんが、わざわざ静岡から足を運んでくれた。

娘も連れて行っていたので、年齢も立場も関心もばらばらな人たちが集まっていたはずなのに、会場の真ん中にあるこたつに入ると、親戚の集まりのように自然と会話が始まる。不思議な光景だった。
気がつけば、みなさん2時間以上は滞在していたと思う。

祖母さんが作られた梅ジュースも、とても美味しかった。

こうした「なんか良い」空間を、狙いすぎず、でも確かに生み出してしまうこと。
それこそが、アーティストであり、デザイナーの役割なのだと思う。

2025年12月12日

北千住のコーミンカンという展示スペースにで 12月13日から15日まで、ラボ学生が卒業研究で「祖母を知ろうとして」という展示会を開きます。ちなみに、この卒業研究は、展示会をひらくことで、祖母をいかに知るのかという研究です。14日のお昼頃、私も伺おうと思います。

2025年12月8日

ラボデイ。学生の進捗状況と聞くと、デザインというわかり方年金編の課題に苦戦しているようだった。一言でいうと何をして良いかわからないという。これは学生に問題があるというより、私の課題設定に問題がありそうだと思った。
デザインの課題は色々な制限の組み合わせから構成される。一般的には技法・アプローチ、つまり「どんな方法で」と、目的や意図、あるいはテーマなどの「なんのために」を決めて課題にする。例えば、「人々の悩みを写真で撮影してください」という具合だ。あるいは、人/モノ/空間を決めて、「高齢者施設の人たちがワクワク学ぶための何かをしてください」など。

年金の課題は、そのいずれかも曖昧であることだ。「年金を表現してください」しか言われていないので、どんな方法で、なんのために、どんな形にするか、制限がない。何かを作るときには、制限を手掛かりに手を動かしたり、制限を逆手にとって着想をしていく。それができないからなのかもしれない。さて、迷った。

2025年12月7日

近くの子ども友達と一緒に、地域の餅つき会に参加した。授業で「営みの循環」をテーマに餅つき会を扱っている学生がいることもあり、どこか観察者のような気持ちで眺めてしまう。

あらためて考えると、餅づくりは本当に共同作業だ。掛け声に合わせ、順番に杵を振り下ろし、蒸したもち米が少しずつ餅へと変わっていく。そして最後は、みんなでできたてを分け合って食べる。

列に並んでいると、石原ひろたか氏(現・環境大臣)の姿もあった。少しだけ場がざわめいた。

2025年12月6日

今日は附属高校の内定者と保護者の方々が大学に来て、面談する日だった。

実は、保護者の方とお話しする機会は何度かあり、入学式や卒業式、展示会などで顔を合わせることもある。こうした話を他大学の先生にすると、ずいぶん驚かれるのだが、私はむしろ親御さんとも情報を共有しながら教育に取り組みたいと思っている。学生の背景や日常が見えることで、関わり方にも厚みが出る気がする。

2025年12月5日

卒業制作で「展示会を開催する」こと自体を研究テーマにしている学生がいる。卒業制作展に出す作品を作るのではなく、「展示会という営みを行うこと」が目的になっている点が面白い。

今日は、その学生が印刷物の入稿をするというので立ち会った。近年はデジタル系に進む学生が増えた影響で、印刷物の入稿方法を教える機会がめっきり減った。それでも、Illustrator入稿で画像やフォントが表示されないトラブルはいまだ健在で、必要に応じて個別にレクチャーしている。

その学生は、自分の祖母の展示会を開催する予定だ。展示会という場を通して、どこまで祖母の生活や時間を理解できるのか、そんな実験でもある。

2025年12月4日

カフェコンテナをアップデートさせた。引き出しの中には紅茶やコーヒー、お茶菓子が入っている。横には紙コップやゴミ箱がマグネットで収納されている。
これを持って授業に行く。会議に行く。みんなお茶を飲む。ホッとする。最高である。

卒業生が来てくれた。JAXAの宇宙スタートアップの天地人でデザイナーをしつつ、APIONという自分の会社をやっている中郡さん。営みの循環の授業にも参加してくださった。ありがたい。中郡さんは大学3年時にコロナになった世代であり、ラボや卒業研究で試行錯誤した世代だ。こうやって卒業してからも関われるのは本当に嬉しい。

公園でipadを使って会議したこともあった。距離をとりながらもなんとか対話しようと卓球セットを買ったこともあったっけ。

2025年12月3日

会議DAY。
isadr(International Association of Societies of Design Research)が台湾で始まっている。行きたかった。

2025年12月2日

2025年12月1日

大学に前泊車中泊からのラボDAY。大学の裏に金目川という川がある。そこが好き。
この季節の朝は空気が澄んでいて、富士山が綺麗に見える。


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