モノローグ 2025.12

2ヶ月目

2025年12月8日

ラボデイ。学生の進捗状況と聞くと、デザインというわかり方年金編の課題に苦戦しているようだった。一言でいうと何をして良いかわからないという。これは学生に問題があるというより、私の課題設定に問題がありそうだと思った。
デザインの課題は色々な制限の組み合わせから構成される。一般的には技法・アプローチ、つまり「どんな方法で」と、目的や意図、あるいはテーマなどの「なんのために」を決めて課題にする。例えば、「人々の悩みを写真で撮影してください」という具合だ。あるいは、人/モノ/空間を決めて、「高齢者施設の人たちがワクワク学ぶための何かをしてください」など。

年金の課題は、そのいずれかも曖昧であることだ。「年金を表現してください」しか言われていないので、どんな方法で、なんのために、どんな形にするか、制限がない。何かを作るときには、制限を手掛かりに手を動かしたり、制限を逆手にとって着想をしていく。それができないからなのかもしれない。さて、迷った。

2025年12月7日

近くの子ども友達と一緒に、地域の餅つき会に参加した。授業で「営みの循環」をテーマに餅つき会を扱っている学生がいることもあり、どこか観察者のような気持ちで眺めてしまう。

あらためて考えると、餅づくりは本当に共同作業だ。掛け声に合わせ、順番に杵を振り下ろし、蒸したもち米が少しずつ餅へと変わっていく。そして最後は、みんなでできたてを分け合って食べる。

列に並んでいると、石原ひろたか氏(現・環境大臣)の姿もあった。少しだけ場がざわめいた。

2025年12月6日

今日は附属高校の内定者と保護者の方々が大学に来て、面談する日だった。

実は、保護者の方とお話しする機会は何度かあり、入学式や卒業式、展示会などで顔を合わせることもある。こうした話を他大学の先生にすると、ずいぶん驚かれるのだが、私はむしろ親御さんとも情報を共有しながら教育に取り組みたいと思っている。学生の背景や日常が見えることで、関わり方にも厚みが出る気がする。

2025年12月5日

卒業制作で「展示会を開催する」こと自体を研究テーマにしている学生がいる。卒業制作展に出す作品を作るのではなく、「展示会という営みを行うこと」が目的になっている点が面白い。

今日は、その学生が印刷物の入稿をするというので立ち会った。近年はデジタル系に進む学生が増えた影響で、印刷物の入稿方法を教える機会がめっきり減った。それでも、Illustrator入稿で画像やフォントが表示されないトラブルはいまだ健在で、必要に応じて個別にレクチャーしている。

その学生は、自分の祖母の展示会を開催する予定だ。展示会という場を通して、どこまで祖母の生活や時間を理解できるのか、そんな実験でもある。

2025年12月4日

カフェコンテナをアップデートさせた。引き出しの中には紅茶やコーヒー、お茶菓子が入っている。横には紙コップやゴミ箱がマグネットで収納されている。
これを持って授業に行く。会議に行く。みんなお茶を飲む。ホッとする。最高である。

卒業生が来てくれた。JAXAの宇宙スタートアップの天地人でデザイナーをしつつ、APIONという自分の会社をやっている中郡さん。営みの循環の授業にも参加してくださった。ありがたい。中郡さんは大学3年時にコロナになった世代であり、ラボや卒業研究で試行錯誤した世代だ。こうやって卒業してからも関われるのは本当に嬉しい。

公園でipadを使って会議したこともあった。距離をとりながらもなんとか対話しようと卓球セットを買ったこともあったっけ。

2025年12月3日

会議DAY。
isadr(International Association of Societies of Design Research)が台湾で始まっている。行きたかった。

2025年12月2日

2025年12月1日

大学に前泊車中泊からのラボDAY。大学の裏に金目川という川がある。そこが好き。
この季節の朝は空気が澄んでいて、富士山が綺麗に見える。


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