2020年度 卒業研究審査会を終えて

教室の入室制限のためオンライン配信も

12月25日、2020年度の卒研審査会が終了した。

それにしても今年の4年生はコロナ禍で大変苦労した。本来は車座になってテーマについてディスカッションするはずの4月〜9月はオンラインで集まることに。僕らは生活リズムを維持させるためにラジオ体操したり、ゲストを招いてトークセッションをして刺激を得ようとしていた(参加してくだっさた皆様ありがとうございました)。でも、ほとんどのメンバーがテーマ決定に至らなかった。オンライン化した就職活動にも苦労していた。

本格的にデザイン活動を始めたのは対面授業以降が始まった9月以降だ。半年ぶりに対面でディスカッションした時に、学生が「うなずき放題だ!」と言っていた。「うなずき」という無意識下の行動ですら、ありがたいと思ってしまう。芸術・デザイン系の卒業研究のテーマは学生と教員とせめぎ合いで決まる。だから、良い意味でお互い顔色を伺いながら話し合う必要があるのだ。

僕の研究室は何かしらの当事者、専門家との関わり合いのもとデザインの実践をすることを大切にしているのだけど、今年はなかなかそれができなかった。しかし、人との距離が求められる時代だからこそ生まれた研究も多くあったと思う。研究室の所属学生の発表は以下の通り。

小松崎 千尋内閣総理大臣所信表明演説の図解化Infographic
笛 達裕オンライン就職活動をテーマとしたインフォグラフィックの制作Infographic
松浦 海南恵性的被害を防ぐための第三者介入ワークショップのデザインWorkshop
門松 沙姫すごろくを用いたリフレクションゲームの制作Workshop
川村 花奈調べ方によるわかり方の差異 +FINDVisual book
座間 優美祖父との共同作業から生まれたコミュニケーションの記録
じいじとわたしの庭いじりプロジェクト じいじとわたし
Visual book
村上 桃香感染対策下のコミュニケーションをテーマとしたフォトエッセーの制作
陽炎の向こうを想う
Photo essay
矢田 安里紗生物のメタファーを用いた思考の描出と理解Drawing
渡邉 柊ラジオ体操会の活動を記録したドキュメンタリー映像の制作 -ラジオ体操会のエスノグラフィーMovie
折笠 卓也大学の清掃員の仕事を記録した映像作品の制作
あたりまえを作る仕事
Movie
折笠卓也さんの「あたりまえを作る仕事」より

優秀賞は折笠卓也さんのドキュメンタリー映像「あたり前をつくる仕事」。久しぶりに登校した彼はいつも会っていたけど話したことがなかった大学の清掃員を取材し、自分たち日常がどう維持されてきたのか映し出した。そして、自分で作詞作曲した楽曲を映像に添え主観的な思いを表現した。

研究成果や作品は美術の作品と合わせて平塚市美術館の市民アートギャラリーにて展示される。期間は2021年1/20(水)から1/24(日)まで。 最終日は撤収のため全員いますが14時まで。

ちなみに、2月中旬にウチのラボだけでオンラインの卒研発表会「富研卒研LIVE」を予定中… 学生の卒研発表やゲストトークはもちろん、卒業生のテレフォン人生相談、学生の作曲作詞のライブ、ラジオ体操ライブ、学生の不要物をメルカリで売るチャリティー販売SHOWなどの企画が検討している。(企画倒れだったらごめんなさい)