内閣官房懇談会にて、学生と一緒にビジュアルミーティングにトライ

内閣官房行政改革推進本部の「国・行政のあり方に関する懇談会」にて政府として初めてのグラフィックレコーディングをしてきました。

グラフィックレコーディングは一般的に試されている手法ではなく、MetaMoJiさんのShareAnytimeというiPad向けソフトウェアを使って、「言葉化」を担当する人と、「視覚化」を担当する人がコラボレーションする手法を試しました。前者は早稲田大学でジャーナリズムを学ぶ学生が、後者は東海大学でデザインを学ぶ学生が担当しています。

また、会議に参加した方全員に、このソフトウェアをインストールしたiPadを配布。議題提供に対して、1枚のノートに参加者が質問やアイディアを書き込むビジュアルミーティングも実施しました。やったことまとめは政策分析ネットワーク 第9回政策セミナーで発表したスライドをご参考に。

 

事前練習は前記事 グラフィックレコーディング(しかもiPadを使ってオンラインで)勉強会をご参考に。そして当日の様子はNHK の山本さまが取材されたNEWS WEB24の記事がが参考になると思います。NHK NEWS WEB24 打倒“予定調和” ある懇談会の挑戦

では、ちょと舞台裏を。

まずは使い方のご説明。本当は、みんさん全員に操作を試してもらう予定でしたが、この時間が5分しかなかく、概要説明のまま会議がスタートしました。これはちょっと反省ポイント。司会役の次長が「こういうものが使えないことによって、議論の不公平感が出るとよくない」とおっしゃっていましたが、まさにそうだと思っています。

学生は全部で7人。基本は、ジャーナリズムチームが言語化、デザインチームが視覚化を担当していますが、「職能」ごとにもっと細かく役割分担をしています。
まずは、テキスト担当者。議論を聞いて、リアルタイムに言語化をしていきます。普通にパソコンで議事録を作る感じです。
レイアウト担当者は、そのテキストを見ながらキーワードを手描きで描いてレイアウトしていきます。

Chara

その後はグラフィック担当者。背景に色を塗ったりサイズを調整したり、プロセスを視覚化したりピクトグラムを追加したりします。

さらに、キャラクターデザイン担当者。参加者全員のキャラを描いて、アイテム登録しておきました。このキャラクター、意外に反応がよかったです。誰が発言したかがわかりやすい。

IMG_8528 司会役の藤城次長、開始五分前のディスカッションにもかかわらず、ご理解が早い…。進行はとてもスムーズでした。

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これは話題提供者があるテーマにプレゼンした後に、参加メンバーが質問等を書いたもの。その質問に対して、誰かがさらに書き込んだりしています。このソフトウェアは、誰が書いたかわかるようになっていますので、レコーディングチーム側は、事前に作っておいた発言者キャラを貼付けたりしています。

まだ、使いにくいせいか文字が書きにくそうでした。慣れもありますし、まだiPadがペン入力に最適化されていないという問題もあります。これは時代が解決してくれるでしょう(適当)

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終わった後に記念撮影。一番右にいらっしゃるのが鈴木さん。このアイディアを理解していただき、実現に向けて様々なディスカッションをしました。メディアでは官僚批判とかありますけど、わたしが接する方々は、体調が大丈夫か心配になるくらいこの国の将来を考えて仕事をされています。最上さん中井さんにも大変お世話になりました。

そして、学生にとっても憧れ古市さん、1985年だから御年29歳?すごい!。議論も面白かったです。ちなみに、古市さんは懇談会中にこんなツイートをしていて学生達と笑っていました。

 

 

DSC_0095-最後に懇親会。大臣(ここに映られていないけど)、政務官、懇談会メンバーの方は学生を褒めていました。学生には大学1年生(19歳)もいるのです!この年で大臣と直接お話するというのはなかなかできないことだと思います。(写真提供をしていただいた中井さんに感謝します)

学生メンバーのご紹介。

早稲田大学 大学院ジャーナリズムコース:
加川直央さん(修士1年)、角野雅美さん(修士1年)宮本裕人(修士1年)さん、
東海大学 教養学部芸術学科 デザイン学課程
川崎敬仁さん(学部3年)、小澤 拓弥さん(学部2年)、小山 拓哉さん(学部1年)、永井結子さん(学部1年)

最後に

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実はこのお二方、ATOKや一太郎を作ったジャストシステムの創業者!60歳にして第二の創業。奥様はエンジニアです。バリバリデバッグしていました!すごい。

念のため言っておきますが、MetaMoJiさんのことを「すごい!」と色んなところで言っていますが、何か広告費をもらったりしていませんからねッ!純粋にこのソフトウェアが手描き時代のワードのようなスタンダードになる時代が来るのではないかと夢見ているからです。

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最終動作確認中。この机の上のiPad 30台で総額約150万円。まだまだ高いですねえ。

 

■謝辞

今回の件で私を紹介してくれたロフトワークの林さん越本さんありがとうございました。そして、かなり実験的なこのアイディアを大胆に採用し色々な調整をしていただいた内閣官房室のみなさま。ソフトウェアのサポートをしていただいたMetaMoJiのみなさま、そして、何より予想以上の結果をだしてくれた学生のみなさん、おつかれさま、そしてありがとう。

回は2/27。またやります。

 

■取材記事など

NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2014_0131.html

ジャパンインターネットドットコム
http://japan.internet.com/webtech/20140204/4.html

インフォシーク
http://news.infoseek.co.jp/article/internetcom_20140204_006