WE DESIGN SCHOOLで社会人向け授業をします

昨年に続いてWE DESIGN SCHOOL(以下、WDS)で社会人向けのデザインの授業をします。この講座は、デザインが未実装なモノをリ・デザインする(最適なものにデザインし直す)ことを通して、様々なデザインの”キソ”を学ぶ授業です。

課題は以下の通りです。

電気料金の請求書をリ・デザインする。毎月請求される電気料金の請求書。この請求書のデザインは様々な制約や慣習によって生み出された、必然性のあるデザインなのかもしれない。しかし、所狭しと情報が掲載され、段階制の料金や再エネ発電賦金などの見慣れない文字、一体どれだけの人がその内容を理解し、そして確認して支払っているのだろうか。本課題ではこの請求書に掲載されている情報の調査や再構築をした上で、新たな請求書のデザインを提案する。

授業では掲載されている情報の意味を調べ、その価値を理解するフェーズを経て、書体、サイズ、余白とレイアウト、ピクトグラム、データの視覚化など段階的且つ、実験的にデザインを進める。そうすることで、表現の違いを理解し、アウトプットする一連のプロセスと思考のポイントを掴む。また、この授業では、グラフィック制作におけるスタンダードとなっているソフトであるイラストレーターの操作をゼロから学ぶ。

画像データ

 

ところで、WDSを運営されているのは稲葉さん滝澤さんという二人の女性です。数年前からデザインの学びの場の構想についてお話を聞いていましたが、一歩一歩着実に構想をかたちにしているようです。

稲葉さんは、WDSの基礎編の授業は色や文字、かたちを通してデザインリテラシーを身につけることを重要視していると言います。一見すると、ビジネスの現場でニーズの高まっているデザイン思考や体験価値、コミュニティーなどの、かたちの見えないデザインと比較して、少々地味にも聞こえます。

しかし、稲葉さんは、創造のスタート地点は「知覚する力」「感じ取る力」であり、それらを「かたち」を通して身につけることがデザインの学びとして大切ではないか。それらを経て、カタチのないコトのデザインに進むのが良いのではないか、と提案してしいます。そういった形式知化しにくい力を段階を追って学ぶ手法はありそうでないのではないか、と指摘しています。

 私の担当する授業でも、文字や余白、図像などを順を追って実験的に作り、省察を繰り返すことで、「知覚する力」「感じ取る力」を身につけることを意識していいきたいと思います。

私がこの授業をすることは、本業でもある大学で教えることにとっても重要な意味を持っています。それぞれの現場でデザインを活用したいと考えている社会人の方に教えることは、自分の授業で見過ごしてしまっていることに気がつくことにもつながります。また、今関心を持って進めている当事者デザインという観点からも、人はどのように創造性を学び、発揮するのかを探求してみたいと思っています。

ご関心のある方はお申込みくださいませ。(※私のお知り合いの方はお値引きできるようですので直接ご連絡くださいませ)

 

  • 2017年開講日
    • 6月15日(木)
    • 6月22日(木)
    • 6月29日(木)
    • 7月6日(木)
    • 7月13日(木)
    • 7月20日(木)
  • 時間:19:00-21:00
  •  会場:東京ミッドタウン/ 5Fデザインハブ / デザイン・ラウンジ
  •  講師:富田誠
  •  定員:24 名

 受講条件本講座では、Adobe Illustrator(バージョンCS6以上)をインストールしたノートPCを毎回ご持参いただきます。これまでにAdobe Illustratorの経験がない方でも、PC操作に慣れている方でしたらご参加いただけます。PCはMac/ Windowsのどちらでも問題ありません。

 

なお、昨年の授業は熱心な受講生の皆さんに支えられ無事に終わりました。ありがとうございました!

Photo by SATO YUSUKE
http://yusuke-sato.com