大学オンライン化日記 7月編

7月31日(金)

  • 今日は10時間連続授業DAY。最近は週に2日〜3日程度大学で配信している。遠隔授業も残るところあと2回となった。秋学期から実習授業はオンキャンパスになる。「フル遠隔実習は最初で最後だから楽しもう」僕はそう繰り返し、学生と自分を鼓舞する。
  • 1、2ヶ月で終わるつもりだった「遠隔授業日記」も、早いもので3ヶ月も経ってしまった。祝祭性も事件性もない、日常化しつつある非日常を書くのが日課になりつつある。まるで、最終回を先延ばしされているドラマの原稿を書いてるような気分だ。
  • ただ、自身の実践の一時情報を記録として悪くはない。程よい緊張感のある「開かれたひとりごと」。もう少し続けてみようと思う。

7月30日(木)

  • 今日は早稲田大学の授業。事前告知していた通りオンラインワークショップをやった。やはり、いつもと違う授業の雰囲気だ。
  • 「みなさん、さようなら〜」僕はいつものように全員が退出するまで待っていた。ビルの消灯のようにフレームが次々と消えてゆく。しかし、時々いつまでも残っている学生がいる。声もかけても反応しない。席を外していたり切り忘れだったり(あるいは寝ていたり!?)するのだろう。
  • だが、今日残っていた学生は残り一人になったタイミングで、「先生、今お時間あるでしょうか」と聞いてきた。そしてその学生はビデオをオンにして「前回、授業の時に紹介していたほんの著者と名前を教えて欲しい」と聞いてきた。
  • まるでお年玉付き年賀はがきが当選した時のように「おおお!」と声をあげ、嬉々として本を紹介し、研究について情報交換をした。嬉しい時間だった。

7月29日(水)

  • 今日は所属している学部のFD委員会だった。色々な学科、先生方の遠隔授業の実践例が共有された。僕も少し発表したのだが、「富田誠」って書いてあるTシャツで挑もうかと思ったができなかった。

7月28日(火)

  • そういえば、ここ2週間くらいTwitterをしていない。なぜだろう、一言でいうと好奇心がくすぐられない。インスタグラムもさっぱり。もうしばらくお休みしようと思う。
  • 大学のある会議。そしてエクセルと睨めっこ。
  • 夕方に外にでた。行き先は五反田のあるコンベンションセンター。このビルはなんとも言えない怖さと居心地の良さが共存している。特に駐車場の雰囲気がたまらない。1970年の落成当時がそのまま残されているんだと思われる。

7月27日(月)

  • 瀧さんのデザインプレゼンテーション。今日は小早川先生がゲストで来てくださった。
  • その後に卒業研究の発表2人。一人はイラストレーションを絶対にやりたいという。サイエンスイラストレーションに関心を持っているようだが、対象を何にするかはこれから検討だ。もう一人は、医学部の先生とご一緒しているプロジェクトを卒業研究にする予定。「視点転換」という考え方に着目し、男と女、学生と教師、店長とアルバイト店員、など固定化された立場の視点を入れ替えるデザインを目指す。楽しみだ。
  • 教務の仕事が終わらず気がついたら朝4時。

7月26日(日)

今日は義理の父が滞在している逗子に行った。とても晴れたと思ったら、すぐに土砂降り。本当に不思議な天気だ。

7月25日(土)

  • 今日は入試のために大学。朝6時に起きて大学に行って夜に帰った。(具体的な話はできない)
  • 田んぼの動画を撮った。

7月24日( 金)

  • 仕事が終わらず寝ないで大学に行った。研究室で1時間仮眠を撮った。そこから10時間連続授業。寝る時間も起きる時間も寝る場所も仕事する場所もバラバラで、現実感がより一層なくなっていく。おまけに外は曇天だ。

7月23日(木)

  • 今日から連休のようだ。「Go to トラベル」という旅行代理店のキャッチコピーのような言葉を見聞きするがニュースをよく見ていないので詳細は不明だ。
  • 早稲田の授業、欠席もなくみんな出席している。聞いてみたところ、もう10回程度で授業を終えている先生もいるそうだ。
  • 妻は相変わらずデザイン書道を続けている。どうやら筆で書くのではなく指で直接書いたり、竹を直接潰した筆で書き始めたようだ。いつもよりも自信を持って「どうかな?」聞いてきた。

7月22日( 水)

  • 朝8時に家を出て車で公園に行った。シャワーのような雨だ。車の後部座席にテーブルをつけて仕事をしてみる。オンライン会議も大丈夫だ。これがキャンピングカーなりバンだったら、どこでも仕事ができるんだろう。
  • しかしだ、どうしてもデュアルディスプレイがないと作業が捗らない。精密機器の基板のようなエクセルファイルを4枚くらい同時に開かないと作業にならないのだ。
  • ということで家に戻って続きの作業と会議。

7月21日(火)

家が窮屈で車に乗って近くの公園に行く。書類と睨めっこ。果てしない。

7月20日( 月)

  • 瀧さんのデザインプレゼンテーション。もうこれは企業にお勤めの人を対象に公開しても良いのではないだろうか!?
  • 卒業研究の進捗発表会2名。一人は、研究成果のデザインといえばいいだろうか。科学技術コミュニケーションの分野では著名なある大学の先生の研究成果のデザインをしようとしている。もう一人は、おじいちゃんとの協働のデザインとその記録。どちらも楽しみだ。もうかれこれ6ヶ月近く会っていないのに、卒業研究が進むと思うと少し感動する。

7月19日(日)

雨が続く。仏教学者であり曹洞宗の僧侶であり、駒澤大学の学長・総長を勤められた奈良康明先生が本当に良い文章を書かれており、何冊か本を買った。

7月18日(土)

秋学期の授業実施方法の検討の時期だ。秋学期は対面と遠隔の組み合わせが可能になる。先生方の要望を確認するために調査票を送る。教室の定員の1/2になるので調整が大変だ。

この植物、2020年の3月の卒業式の日にいただいた花に入ってたいものなのだけど、全く枯れることなく窓際で元気に育っている。なんていうのだろう?

7月17日(金)

金曜日は9時から18:00までオンライン授業。in大学。

7月16日(木)

  • 都内はリモート出勤しているのでオフィスがスカスカだ。確かに人はいるし、建物も閉まっているわけでもない。でもそれが奇妙な光景を生み出していて、とても非現実的に感じる。
  • 自宅に帰って早稲田の授業。もう残り3回だ。せめて最後にワークショップをしたかったのだが、叶わない。ビデオのオンは強制しなかったので、一体どんな顔でどんな服装の学生かも分からずに終えようとしている。

7月15日(水)

  • 今日は学内会議連続DAY。
  • 異議あり、異議なしの確認はTeamsの挙手機能を使う。たくさん✋が出てきて、ちょっとかわいい。
  • そうだ、コロナ前の2月頃だろうか、とある大手IT企業から大学に移った先生が「大学会議の審議事項の確認は👍のレスポンスでいいジャン!」と話していたのを思い出した。その時は、大笑いしていたのだけど、たった数ヶ月で、それが当たり前になってしまったのだ。

7月14日(火)

  • 今日は朝1限の授業だ。眠らずに徹夜で大学に向かった。途中、サービスでリアで仮眠をした。コンビニで買うのはいつものサンドイッチだ。
  • 1年生むけの60人程度の授業。学部横断の授業なので、学生に問いかけてもなかなか返事はない。本当にやりにくい。
  • 東北大学の田中先生と学生とオンライン会議。簡単にいうと田中先生という一人の物理学者のブランディングをできないかと考えている。今日聞いた話は「シミュレーション仮説」。私たちが生きている世界はコンピューター上のシミュレーションであることは物理学では否定することができないという(理解が間違っていたらごめんなさい)。
  • ある先生とあるあるクリエイターの方とのオンライン打ち合わせ。初顔合わせも、ZOOMで違和感なく。
  • 最後に学科の会議。それにしても学内の会議は、対面の会議よりずっとスムーズに感じるのはなぜだろう。

7月13日(月)

  • 博士課程で指導いただいている先生と研究室メンバー3名がオンラインで集まった。今日は僕ともう一人の学生が発表し、その後みんなでクリティークした。やっぱりこれが研究の基本だ。発表が研究を作る。締め切りが作品を作る。
  • 瀧さんのデザインプレゼンテーション。滝さんが丁寧にポートフォリオサイトの作り方を説明した。使うサービスはstudio.design。本当によく出来ている。国産だし応援したい。
  • 3年生のオンラインラボ。今日は先週発表した話者交替(Turn-taking system)について説明し、学生たちと、ディスカッションができた。そうこれだ!こういったディスカッションがしたかったのだ!!!!!!!
  • 先日の発表した話者交替に関する資料はこちら。人は身体的な反応を通して話者を交替を実現している。動物的とも言えるだろう。オンライン会議の話者交替の難しさは、まさにそこに通じている。
  • 一方で人類は共に働き共に生きるために、様々な話者交替の仕組みを作ってきた。議会や裁判、あるいは企業の会議、ワークショップに至るまで、動物的反応を超えて「誰が話すのか」に対して多様なシステムを構築してきたとも言えるのかもしれない。
  • 以下の内容は、坊農・高橋(2009)及び、高梨(2005)賈(2008)が、Sacks et al. (1974)と金(2000) を参考に、作った話者交替システムの図

7月12日(日)

  • 今日は絶対的なお休み。逗子マリーナに行った。海辺で小さな貝や亀の手を取って家で茹でて食べた。
  • 偶然にも今年卒業した隆ちゃんこと隆之介君とお友達に会った。相変わらず良い笑顔で元気そうにしててよかった。

7月11日(土)

  • 今日はミミクリ さんのデザインカンファレンス。「共同注視」「話者交替」にフォーカスを当てて、視覚的対話との関係や、オンライン会議の難しさについて話した。
  • TシャツはおろしたてのオリジナルTシャツです。司会者は名前を呼びやすく、視聴者も名前を覚えやすくていいと思います!

7月10日(金)

  • 今日は9:00から18:00までオンライン授業DAY。授業の後半戦、とても頭が痛くなった。
  • 学生に対してビデオオンにすることは基本的に強制はしていない。例えば家族が家にいることもあるだろうし他の学生に見られたくないというのもあるかもしれない。また映像をオンにして授業を聞くのは学生も疲れるだろう。ラジオ的授業でも良いと思っていた。
  • ただ、10回くらいやってきて、オンライン授業の疲れは、そこにあるように思えてきた。自分が映像をオンにして、映像オフの相手に語りかけるのは、とてもエネルギーがいる。無反応に見える相手に対して相互的に会話を進めるには限界があるように感じてきた。

7月9日(木)

  • 科学技術コミュニケーションが専門の学外の先生方と、とあるプロジェクトでオンライン会議。事前に学生とmiroで作業を進めておき、数日前に、打ち合わせの方向性に誤りがないかメールで見ていただいた。当日は先生方の意見表出を中心に進めた。発話した内容はできる限りmiroにかきとめた。やっぱり、miroで会議するのが一番スムーズだ!!!!会議後の疲れが全然違う。
  • 学生の小松崎さんと学内の雑誌のオンライン取材があった。二人で30分くらいで終わってしまった。事前に送られた質問に答えたので不十分さは感じない。ライターの方は「制作の写真はありませんか?」と聞いてきた。探してみたけどない。結局、小松崎さんが自分で撮ることになった。さて、オンライン時代になって、ライターさんは仕事がしやすくなったのだろうか、それともしにくくなったのだろうだろうか。
  • 早稲田のオンライン授業 。9回目だ。今日はエクスペリエンスマップを書いてもらって発表してもらった。描く体験は学生の自由。オンライン授業やライブなどが多かった。直接顔が見られない中で学生の体験を聞くのはとても参考になった。
  • 今日も雨だ。家で仕事していると煮詰まってきてしまう。食事を終えて20時頃、車に本を詰め込んで、家の近くに出た。結構集中できて良い時間だった。

7月8日(水)

  • 水曜日は学内会議DAY。でも今日は、学科内の先生方との会議と広報の会議だけだった。今週末の発表準備に不安を感じながらも進める。

7月7日(火)

  • 学内の会議に参加した。人数が20名以上と多い会議だったのでターン(発話区間)を握りすぎないよう、チャットに書き込んだ。しかし、司会役の人が「チャットにこのような書き込みがありますが」と言って、僕が話す時間が増えてしまった。どうすれば「滑らかな大人数会議」ができるのか。
  • 科研分担関係の打ち合わせ。他大学の先生との打ち合わせはオンラインが本当に便利だ。
  • 最後に学内の会議。新たに10名程度、学外の業者さんがオンラインに参加された。もし対面で合っていたら移動時間や日程調整含めて大変だっただろう。
  • 天気は雨。相変わらず、気分は落ち込み気味。

7月6日(月)

  • 月曜日なので瀧さんのデザインプレゼンテーション。体験作文の発表。やはり事実をしっかり語ることが大切だと思った。「誰が何した」「誰が何を言った」そして私はどう思った。そう書くのと自分が思ったことを述べ続けるのと全然違うのだ。…おや?この日記、自分の思いだけをつらつら述べているではないか。さて、記述の仕方を変えることができるだろうか。
  • 夜9時から7月11日のミミクリデザインカンファレンスの会議だ。妻に「家じゃなくて外で会議した方がいいよね」と聞いたところ、迷うことなく「うん」と答えた。僕は車の中に乗ってサンバイザーにiPadをかけて会議をした。とても集中できた。オンライン会議はコックピッドのような場所も悪くないのかもしれない。

7月5日(日)

  • 天気は雨。今日はこもりっぱなし。家を出たのは、スーパーに買い物に行ったのと、都知事選の選挙に行ったくらいだ。
  • 研究も捗ったかと言えばあまり。でも、次の発表の骨組みはできたかもしれない。

7月4日(土)

  • 家から近くの公園に行った。海沿いにある実に寂しい公園だ。釣りをしている人と走り回る子供がいる。天気は曇天だ。
  • 公園の管理は行き届いていない。一部が修理されずに壊れたままだ。僕にとって、この物悲しい光景は心の原風景に近いのかもしれない。不確かさと静寂が入り混じるが嫌いではない。いやむしろ好き。
  • 4月にオンライン化が決まってから研究が全くストップしてしまっていた。そして今日、やっと研究のための本を読み始めるようになった。ほとんどが佐伯先生の本だ。本当に面白い。

7月3日(金)

  • 今日は連続オンライン授業DAY。学生に様子を聞いたところ、授業も折り返し地点を超えて少し余裕ができてたと言う。これまでは課題が多すぎたり慣れないオンラインで疲れていたと言う。
  • これまで対面で会ったことない1年生が夏の集中授業でオンキャンパスで授業をすることになった。教員は何度も見ているので大丈夫だと思うが、学生同士会う瞬間がドキドキする。モニター越しで見ていた存在とリアルの存在の違いを思う存分に感じとろうとするだろう。はぁ、書いていてドキドキしてきた。こっそりドキュメンタリーっぽく撮影でもしたいくらいだ。
  • 午後のビジュアルデザイン実習は中間発表があった。学生はほぼ全員発表できていたので対面授業とさほど変わらない感じだろうか。そしてオンキャンパスの時と同様?講評が1時間ほど伸びてしまった。

7月2日(木)

  • 妻もオンラインミーティングが入ってしまい、僕は車の中に移動して会議に参加した。参加者の人がちょっと驚いていた。ちなみに、運転席のサンバイザーにiPadを差し込むとちょうど良かったり。
  • 午後は学生との打ち合わせ。こちらも車の中で1時間程度。音声だけつないで後はmiroで作業。学生は小田原に住んでいる。今さら言うまでもない話だけど、これだけ遠いのに協調作業ができるというのは凄いなぁ…

7月1日(水)

  • 今日は会議DAYだ。妻も会議があるとのことで大学に向かう。相変わらず大学はガランとしている。
  • 来年度に向けたある準備をしている。
  • そろそろ秋学期に向けた教務の仕事も増えてきた。
  • 結局、大学を出るのは22:00になってしまう。コロナ前と一緒。ギリギリまで仕事をやってしまうのだ。